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日本橋ストリートフェスタ(以下、ストフェス)とは、年一回、日本橋で開催されるイベントです。

コスプレに身を包んだ本格派のレイヤーさんたちが集結して練り歩くパレードがあったり、日本橋界隈のお店が出店を出店したりと催し物がてんこ盛り。

当初は、いわゆる街おこしの一環として「でんでんタウン」のお店で構成される組合などによって企画されていましたが、サブカルとコスプレということを切り口に徐々にイベントが大きくなり、昨年はなんと25万人もの参加者がいたというから驚きです。

そして今年は13回目。どんなイベントになったのか?体験レポートをお届けしたいと思います。

意外に早い12時スタート。しかし、10時過ぎからざわざわしてます

 

ストフェスは意外に開催時間は短く設定されています。前後にイベントが設定されているものの、基本的な開催時間は12時~16時。わずか4時間のイベントです。

これは、メインの会場(?)となる堺筋やオタロードなどの交通規制が11時~15時30分までとされていることに関係します(開催回によって変わることが考えられるため、あくまで13回目のストフェスでの情報とお考えください)。

メインの時間帯は12時からとなりますが、すでに会場である堺筋周辺は、10時過ぎから人でごった返しています。

というのも、(本当はダメなんですが)11時過ぎから堺筋周辺でレイヤーさん達の撮影会があちこちではじまるから。といっても、レイヤーさんがいれば「1枚撮ってもいいですか?」と声をかければ気軽に応じてくれる人が多数です。そして、だれかがシャッターを切り始めるとカメラを抱えた人たちで人だかりができて、自然発生的に撮影会が始まります。

やはりメインイベントはレイヤーさんたちのクオリティの高いコスプレ

 

そんなわけで、私も11時過ぎをめがけて堺筋方面に向かいました。周辺には、交通規制を知らせる立て看板があちこちにあり、嫌がおうにもイベントへの期待感が高まります。

松屋町サイド(日本橋から見て東サイド)から歩いて堺筋のほうに向かうと、普段は寂れた印象の裏通りなのに、イベント当日はレイヤーさん達が多数見受けられました。

ぼんやり歩いていると、「え?本物ですか?」というレベルの「仮面ライダーエグゼイド」がいたりします。そして、道行く人から頼まれた写真撮影にポーズを決めて快く応じています。もっとも、キャライメージを壊したくないからか、しっかり無言&ジェスチャーで応じているのがほほえましいところです。

そのほかで言えば、定番的な「新世紀エヴァンゲリオン」のアスカやレイ、「ワンピース」の主要キャラクター、「艦これ」の赤城先輩や島風などアニメ放映が終わっても人気のあるキャラクター。「Re:ゼロからはじまる異世界生活」のレムとラムの「鬼がかったクオリティ」のコスプレをする人など。数え出したらキリがありません。

やはり、ストフェスは「コスプレの祭典」なのだなあと実感します。

わたしも、「すみません一枚いいですか?」と声を掛け次々とレイヤーさん達の写真を撮影していきます。

ただし、ここでひとつ注意点があります。ストフェスでは基本的にコスプレをしている人を撮影できる場所が限られています。そして、撮影者には撮影者用の、レイヤーさんにはレイヤーさんの「参加証」であるリストバンドの購入が求められています。このリストバンドをつけることで定められたエリアで撮影してよいということになります。

私はそのシステムを知らず、あわてて買いに走りました。もし参加される際は、事前にアニメイトなどで売っているので購入をおすすめします。

もっとも、コスプレ撮影の指定エリア外である堺筋が実際は撮影の主戦場となっているのが悩ましいところ。いたしかたなく撮影しているというのが実情です。長い間道路を占拠しているレイヤーさんたちには、警備のスタッフから「ここは撮影エリアではないですよ。5カウントしますので撤収してください!5、4、3、、」と声がかかります。その瞬間、カメラマンたちは撮り逃しがないように一生懸命シャッターを切ります。

ふと気づいたことは、レイヤーさんによっては、スケッチブックを脇に置く人がいるということ。多くの場合、そこにはツイッターのアカウントと思われる「@以下アルファベット」が記載されています。こ の点については、あるレイヤーさんと立ち話ができたので後ほどご説明しましょう。

コスプレパレードの開始

 

コスプレの祭典として確固たる地位を確立するストフェス。その代名詞といえるのが、「コスプレパレード」です。

コスプレパレードに参加するためには、事前に「コスプレパレード参加権付リストバンド」の購入が必要になります。さきほど説明したレイヤー用のリストバンド+パレードの参加証である缶バッチがついています。数に限りがあり、今回は500個のみでした。例年ストフェスより相当前から(今回のケースでは2016年の10月下旬から)販売を開始しますが、すぐに売り切れるというプレミアチケットとなっていますので、注意が必要です。

コスプレパレードは堺筋の南端からスタートして北上していきます。

12時前後になるといざスタート。かなりクオリティの高いレイヤーさん達が自慢のコスプレを披露します。今回、圧巻だったのは「ワンピース」で登場する

海軍の大将たちのコスプレに身を包んだ一団でした。全員が背中に「正義」と描かれた純白のマントをはためかせ、歩く様は観衆から「おおお。すげえ圧」と声があがるほどでした。

沿道にはパレードの写真をおさえようと一眼レフを構える人だかりができており、足の踏み場もないほどです。

もし、パレードの写真を撮りたい!と考えている人がいれば、開催時間よりもかなり早めに現地に到着し、撮影ポジションを確保しておくことをおすすめします。

競争の厳しいレイヤー社会

 

さて、今回あるレイヤーさんに匿名を条件に色々とお話を聞くことができました。ここではAさんとしておきます。

Aさんは普段は普通に会社勤めをしているとのことです。レイヤーとしての活動は「私なんてまだまだ。単純に自分が楽しみたいだけです」と謙遜気味。

聞けば、やはりストフェスはレイヤーにとってかなり大きなイベントだということ。コスプレは基本的に自分で制作・縫製などを行う「自前」のものこそが「クオリティが高いと評価されるポイント」だそうです。昨今出来合いのコスプレが通販サイトなどで販売されていますが、それではダメだというから厳しい。

特に、アニメやゲームは流行が放映サイクルなどに由来するため、「今年制作したものが、来年着ると微妙になる」というため大変な部分があるとのことです。

また、できるだけキャラクターの良さをそのまま反映することでクオリティの高さが評価される部分があるため、自分の体型維持や見た目の傾向とマッチするコスプレをするほうが良いという傾向があるとのこと。なかなか奥が深い世界です。

レイヤーさんたちは、衣装を作るという行為を楽しみにする人もいれば、キャラクターになりきることを楽しむ人もいるなど、楽しみ方が千差万別であるというのもポイントだと言います。実際、男性のレイヤーさんの場合、例えば先に挙げた仮面ライダーなど「中の人が見えないコスプレをクオリティ高くまとめる人」もいます。こうしたケースは、いかに原作の衣装に近づけるかということに心を砕いているタイプのようです。

また、レイヤーさんと共存共栄関係にあるのがカメラ小僧(通称カメコ)さんたちだと言います。

というのも、レイヤーさん達が気合の入ったコスプレをして、それをカメコさんたちがプロ顔負けの機材で撮影します。撮影したデータをレイヤーさんたちにあげることで、レイヤーさんは自分のコスプレ写真を見て満足するというサイクルがあるからです。

ここで役立つのがさきほど触れたスケッチブックです。ツイッターのアカウントを経由して撮影データをレイヤーさんに渡すということができるわけです。

こうして話を聞いていると、ストフェスでコスプレをして参加をするのは(他のレイヤーさん達の目もあるし)敷居が高いのかな?と思いましたが「そんなことはないです。むしろ、自分なりにコスプレをしてみてみると、そこから色々な楽しみ方や課題が見えてくる。だから、気軽にコスプレして参加するのが楽しみ方のひとつ。普段の生活だったらありえないことだけど、コスプレをして写真を撮られるのも楽しいですし」という。

コスプレを通じた非日常感を味わうことができるのが、ストフェスなんだ!と感心しました。

 

物販などの主な会場はタイムズ広場

 

一方、コスプレ関連のイベントだけではなく日本橋界隈のお店にとどまらずさまざまな出店があるのも特徴と言えます。

出店のメインとなる会場が「タイムズ広場」です。場所はオタロード沿いにある大きな駐車場。タイムズ大阪難波(大阪市浪速区難波中2丁目5)です。

サブカルに関連したブースばかりか、というとそんなことがないという部分が面白いところ。例えば、「大阪市環境局」が歩きタバコの防止をうながすためのブースを構えていたり、アニメーションやイラストレーションに関連した専門学校が学校紹介として生徒が描いたイラストの展示を行うブースがあったりとバラエティに富んでいます。

もっとも、どのブースもアニメとコラボレーションをしたり、独自のキャラクターを制作していたりと「サブカル色」を打ち出しているのが特徴です。

なかでももっとも注目を集めていたのが、本物の自衛隊車両を展示した「自衛隊ブース」です。今回は装甲車が出ていました。そして、その脇には本物の自衛官の方が軍服に身を包み銃を構えているではありませんか!

思わず「1枚写真を撮ってもよいですか?」と声を掛けると、「は!どうぞ」と少しはにかんだ表情で答えてくれます。撮影後、「ありがとうございました」と言うと、慣れた手つきで敬礼をしてくれました(もっとも、撮影中は恥ずかしそうにしていて、そこらへんがレイヤーさんたちとは違うなあと感じた部分ではあります)。

屈強な体。礼儀正しい応対。こういった方たちが国を守り、災害救助に当たっているかと思うと感謝の念が自然と沸いてきます。自衛隊ブースでは、本物の軍服も複数飾られており、これを着て自撮りができるということもマニアにはたまらないポイントではないでしょうか。

 

コラボカフェも。今回は「南鎌倉高校女子自転車部カフェ」

 

ストフェス開催期間にあわせて、普段はメイドカフェとして運営されているお店が期間限定でアニメーションとコラボしたカフェをオープンさせるというのもおもしろさのひとつ。

今回は人気アニメ「南鎌倉高校女子自転車部」とのコラボでした。実は、ロードバイク関連の漫画、アニメは「弱虫ペダル」を皮切りに「のりりん」や「かもめチャンス」などの男性向け漫画。そして、萌え系では「ろんぐらいだぁす」、「南鎌倉高校女子自転車部」などがあり、一種のブームを形成しています。

特に萌え系に分類されるものは、「萌え系なのにロードバイクの描きこみ方が弱虫ペダルなんかのスポ魂ものよりしっかりしている」という逆転現象などもあって、コアなファンがいたりします。

筆者は生粋のローディなので、どんなカフェか興味があり訪れてみました。

ところが、コラボカフェといっても、店員さんは普段どおり(?)のメイド服でサイクルジャージを着ているわけでもなく、アニメ中に登場したバイクと同じモデルが展示されているわけでもなく、壁にパウチされたキャラクターが展示されているにとどまり、ちょっと肩透かし。混雑もあいまって、お店に入ることはせずに退散した次第です。

参加するときにこれは気をつけるべし

 

ストフェスに参加する際にはいくつかの注意点があります。

まずはじめに、当日は本当に混雑します。おそらくご飯を食べる場所にも困るはずです。そのため、「ごはんは後回し」と考えイベントを楽しむことを優先する方がよいでしょう。お腹が減ったら、コンビニや出店でかるくおにぎりやスナックなどをつまむという方が良いと思います。

また、コスプレをしないのであれば、できるだけ軽装で。混雑をした場所をすり抜けるように歩くケースが多いためです。

また、ストフェスでは、当日より前に開催概要や地図などを示した冊子が作られています。日本橋界隈の飲食店などにも置かれているフリーペーパーなので、あらかじめゲットしておくと便利です。

コスプレ、撮影を楽しみたい人はすでに説明したリストバンドの購入は必須です。コスプレをする場合、会場周辺には更衣室や荷物置き場が多数設営されます。そのため、会場まではキャリーバッグなどを転がして訪れ、着替えた上で参戦するということができます(もちろん、こうしたスペースを使うためにもリストバンドが必要になりますのでご注意を)。なお、会場周辺は交通規制があるため、公共交通機関を利用しての訪問となる点にも注意が必要です。