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日本橋の夜は意外に早い。夜8時を過ぎると、オタロード周辺のお店は軒並みシャッターをおろします。こうなると飲食店も同じように閉店を迎えてしまう。

午後9時ごろ、日本橋界隈を歩くと、開いているのはアダルトDVDを扱っている怪しげな店舗くらい。飲食店は真っ暗。そう。意外に日本橋の夜は早いのです。

すこし歩いた難波界隈はたくさんのお店が開いているのに、このギャップには少々驚きが隠せません。とはいえ、日本橋をうろついた後、難波まで出かけて行って飯を食べるというのはいかにもおっくうです。となれば、日本橋で夜遅くまでやっているお店はないか?こう考えるのが人情というもの。そこでご紹介したいのが玉華園です。

 

恵美須町駅からほど近い場所。煌煌と明かりがともる店舗

 

お店の場所はいかにもわかりやすいところにあります。地下鉄の恵美須町駅1-B出口から出て、堺筋沿いを少し北に歩きます。すると通り沿いに煌煌と明かりがともるお店、「玉華園」が見えてきます。

周囲の店舗が軒並みしまっている午後10時過ぎ、この明かりはまるで夜に輝く灯台の光にさえ感じます。

私は仕事をたっぷりとこなして飢えていました。忙しさのあまり昼食を取るチャンスすらなく、文字通りお腹と背中がくっつきそうな勢いです。ふらふらとお店に吸い寄せられていきます。まるで遭難船に乗ったロビンソン・クルーソーにでもなったかのような心境です。

 

さすがに午後10時過ぎは空いている。

 

お店にはいると、さすがに午後10時過ぎとあって店内にはお客さんは見当たりません。

店内はテーブル席のみの構成。4人掛けの席が10セットほど配置されており、けっこうな大人数でも対応してくれそうです(実際、後ほどメニューを確認するとコースメニューなどもあり宴会などにも対応しているようでした)。

ほどなく奥から店員さんがあらわれました。「まだ大丈夫ですか?」時間が遅いこともあって、念のため確認してみると「大丈夫ですよ。11時までやってますから(注:ラストオーダーは午後10時30分)」との返答があり、安心して席に着きます。

腹が減ったなあと、メニューをめくるとラーメンを中心に、前菜、炒め物、麻婆豆腐などなど「安心感のある」中華料理がズラリと並んでいます。「おお、この時間帯の中華料理はたまらんなあ」と目移りします。

もし友人と連れ立ってこのお店を訪れていたら、間違いなくあれこれと料理を注文し、シェアしながらビールをあおっていたところです。

しかし、この日は私一人。しかもガッチリお腹を麺で満たしたいという欲求がありました。

そこで、「肉醤油ラーメン」にライスをオーダーします。男子が大好きないわゆる「ラーメンライス」。すなわち穀類と穀類の共演。デブまっしぐらメニューです。悪魔の取り合わせですが、この時間帯だからこそのうまさがあるのも事実です。

 

禁断の味。コクウマ醤油で麺がすすむ!

 

しばらくすると肉醤油ラーメンがライスとともに到着しました。

間違いなく男子が夜10時過ぎに見たら「惚れる」たたずまい。醤油の透き通ったスープの上には、油の粒がユラユラ揺れています。そこに細麺がたっぷり。さらにたっぷりと一度炊かれた肉がこれでもかと載っています。心憎いのはネギとともに、もみじおろしが肉の上に添えられているところです。たまりません。口の奥のほうから唾が出てくるのが如実にわかります。「いただきます」と手をあわせて、おごそかに箸を取りだします。

そして、左手にはいつでもかき込めるようにライスが盛られた茶碗を持ち、右手には割り箸という「戦闘スタイル」に。「いざ!」と心で唱えた後、ラーメンに挑みます。

肉と麺をガバッと持ち上げて、ズゾッと口に放り込みます。モシャモシャとほおばると、口いっぱいに肉汁と麺、そしてスープが絡み合い幸福が訪れます。間髪いれずにライスをワシワシとほおばります。言葉なんて要りません。肉、麺、ライス。この幸福かつ完全なルーティーンをこなしていけばよいだけです。

チェンジアップとばかりに、もみじおろしをくずしてスープに溶け込ませると、あっさりしたテイストに。こうやって味が変わるとまた箸がすすんでしまいます。

麺を完食してややスープが残り、ごはんが半分ほど残るように調整しながら食べ進めます。

なぜそんなことをするかって?そりゃあ決まっています。禁断の裏メニュー。ラーメン雑炊を作るためです。作り方は簡単。残ったスープをレンゲで2~3杯ほどすくい、ライスにかけます(場合によってはここにコショウを2、3回振りかけます)。そして、レンゲで食べればいいのです。

玉華園の肉醤油ラーメンのスープは、非常にコクが強く、こってり醤油なのでラーメン雑炊には良い塩梅。あっという間にごはんがすっからかんになります。

午後10時過ぎ。静まり返った日本橋。静まり返った店内で、禁断の味に身をゆだねるのは背徳感を伴う幸福がありたまりません。

 

本来は夜遅くに、中華をワイワイ楽しむべきお店かも。

この玉華園の肉醤油ラーメン。どこかで食べたことのある味だなあと思っていたら、「ふくちあんラーメン」の系列店ということでした。ふくちあんは、どちらかと言うと郊外に店を展開する中華料理店で知られています。ロードサイドのお店と侮るなかれ。ラーメンの味はしっかりしており、サイドメニューの手抜きも感じられないところが良心的なことで知られています。

なにより、コッテリ系&ボリューム感重視というスタンスのため、男性が友達と連れ立って行って、あれこれコッテリメニューを「食べ散らかす」のにはうってつけのお店と言えるのではないでしょうか。

特に、お昼時は混雑していて満席ということも多いですが、9時を過ぎると待つということはほぼありません。夜遅くに行って、ひとまずビール。そして前菜をほちほちつまんで、シメはラーメンや角煮あんかけご飯、あるいはあんかけチャーハンなどをガッチリ食う、なーんて使い方が正しいかもしれません。

ぜひ今度はそんな決戦に挑みたいものだと思いつつ、満腹のお腹をさすりながらお店を後にしました。

 

玉華園

住所:大阪市浪速区日本橋5-11-14 日本橋トラストビル 1F

電話番号:06-6646-5606

営業時間:11時~23時(ラストオーダー22時30分)

定休日:不定休