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まさに大阪人にとっては「ソウルフード」とも言えるたこ焼き。

一家に一台たこ焼き機があると言われていますが、あながちウソではありません。

実際私自身も、ホットプレートを買うときは「たこ焼き用の鉄板が付いたモデルかどうか」を重視するほどです。

大阪のたこ焼きとは

街なかを歩いていても、たこ焼きだけを売りにしているお店があちこちにあるのが大阪です。

商店街のなかに、何年も前から営業しているようなたこ焼き屋さんがあるのはデフォルトとも言えます。

さてさて、そんなたこ焼きですが、食べ比べてみるとけっこう奥が深い食べ物です。

まず生地について考えてみましょう。昔ながらのたこ焼きと言えば、全体にふっくらした印象のものが挙げられます。これが最近の流行りで言えば(といってもここ10年くらいで主流になったとも言えますが)外はカリッと仕上がっていて、中はトロリとしたタイプがあります。生地の味付けで言えば、ダシをきかせたタイプかどうか、という切り口があります。

一方、たこ焼きのサイズで言えば、大玉タイプがあれば、簡単に食べられる小玉タイプもあります。サイズとの関連で言えば、中のタコの大きさも重要です。生地の部分とタコのサイズのバランスが取れているかどうか。これによって随分印象が変わるものです。

さらに言えばソースは百花繚乱、千差万別。オーソドックスなソースプラス青のりもあれば、オプションマヨネーズ。ネギ塩ポン酢、チーズのせ、あるいは変化球で明石焼きもあります。こうして考えると、生地、玉のサイズ、ソースの組み合わせでどれほどのパターンがあるか。たこ焼きは宇宙的広がりを持つ食べ物と言っても過言ではありません。そうするとたこ焼きが小惑星に見えてきませんか?とややロマンチックな話をしましたが、いずれにせよ奥が深いということなのです。

 

恵美須町のはずれにある、正統派たこ焼き

 

さて、熱くたこ焼きを語ってまいりましたが、昨今大阪でも「変化球たこ焼き」が多いと言えます。そんななか、オーソドックスな「小玉」「生地は全体にしっとり」を貫くお店があります。それが「たこ焼き居酒屋ねこ福」です。

場所は日本橋のはずれ。日本橋4丁目交差点から南にワンブロック進み、左折。そのまま松屋町筋方面に向かって道なりに直進します。そして初めてぶつかる信号のある交差点の角にお店があります。福々しい猫のイラストが描かれた看板が目印です。

居酒屋たこ焼き、と冠されていることからもわかるようにたこ焼きやその他のおつまみを肴にしてお酒も楽しめるお店です。

 

持ち帰りで楽しむのがオーソドックスなスタイル

 

しかし、やはりたこ焼き屋の王道的楽しみ方は、いわゆる「買い食い」スタイルです。もちろんねこ福も買い食いに対応しています。

今回オーダーしたのはたこ焼き6個入り(300円)にチーズのせトッピング(50円)で、しめて350円也。安い!チェーン店が8個入り600円近くで販売していることを思えば、ほぼ半額です。

おもむろにひとつつま楊枝で突き刺し、口に運びます。トロリとしたチーズの濃厚な味が来たと思うと、ふんわりした生地の食感が楽しめます。生地は、カリトロタイプではなく、ふんわりタイプ。そのため、中から激アツの生地が流れ出し火傷するということはなく、猫舌には嬉しい限りです。

なによりすばらしいのが、ダシがしっかり利いていること。生地自体にしっかり味付けがなされているため、チーズをトッピングしても、生地の味がぼやけません。

また、小玉タイプで、バランスのよいタコサイズも美点です。残念なたこ焼きだと、タコのサイズを大きくしすぎて、タコがゴリゴリと主張しすぎているというケースがあります。サービス精神はありがたいところですが、全体のバランスが取れていてこそのたこ焼きです。ねこ福のたこ焼きは、「たこ焼きの基本とは何たるか」を教えてくれます。あくまで粉もんなのですから、生地が主役。それを引き立たせるバランスがあってこそ、オプションであるソース類で遊べるのだ、ということでしょう。なんとも説得力のある構成のたこ焼きです。

 

値段設定にお店の意気を感じます

さて、正統派のねこ福の素敵なところは値段設定です。メニューのひとつにたこせんがあります。たこせんとは、エビせんべいの上にたこ焼きをのせて、ソースとマヨネーズをかけたものです。食べる際は、エビせんべいを折り、たこ焼きをサンドイッチします。たこ焼きは1つ、もしくは2つ入っているのが一般的ですが、太っ腹のねこ福は2つ入りです。

このたこせん、中学生以上は150円。中学生未満は100円です。お小遣いで気軽に食べられる設定。こういう駄菓子屋的な感覚を忘れていないところに「いいなあ」と思うわけです。

ぜひとも、フラリと訪れられるお店として末永く続いて欲しいなあと思います。

 

たこ焼き居酒屋 ねこ福

住所:大阪市浪速区日本橋東3-1-18

営業時間:14時~23時(日・祝:14時~21時)

定休日:月曜日

電話:090-5960-1164