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洋食屋さんというと、どんなお店を想像するでしょうか?

最近、洋食屋というとちょっとお高い値段でハンバーグやらビーフシチューやらを出す「こじゃれた」お店を思い浮かべる人の方が多いかもしれません。それだけ、洋食屋というものが、懐かしさ&仕事の丁寧さバイアスがかかって、高級路線化しているのかもしれません。

しかし、本当の洋食屋さんって、そういうものではないように思います(いや、思いたい!)。ファミリーレストランの台頭もあって、押され気味ではありますが、子供を連れて出かけて、ハンバーグやらエビフライやらをニコニコ笑いながら「おいしいねえ」と食べるようなお店であるべきです。

こと、日本橋界隈で見れば、ラーメン屋さんや、ステーキやカツをメインにするお店は多いものの、純粋な洋食屋さんは少ないように思います。

パッと考えると、「ポミエ」さんなんかは代表格と言えます(喫茶店のジャンルに入りそうでもありますが)。もっとも、こちらのお店は行列ができるほどの人気店。気軽に使えるお店というわけではないところが残念なところです。

そんなわけで、今回取り上げるお店は「近所にあればうれしい人が過半数は超える洋食屋さん」です。

日本橋の外れ、というよりは下寺にある名店

名前は、「ムビー八戸」というグリルです。れっきとした洋食屋さんになります。

場所はというと、日本橋の中心的なエリアからはすこし離れた場所にあります。もはや下寺と言ったほうが正しいかもしれません。

行き方はと言うと、まずは堺筋沿いの日本橋4丁目交差点を目指します。そこから松屋町筋を目指して東へ。すると、ほどなくして阪神高速1号線が目に入ってきます。それをくぐるとすぐに信号が現れます。左前にはスーパーのライフがある場所です。ここを右折し、方角で言えば南に1ブロック進みます。すると通りの右手に植栽が設けられた「喫茶店?」と誤解してしまうような店舗が目に入ります。若干わかりづらい場所なので、写真を参考にお店を探していただければと思います。

お店の雰囲気には懐かしさがこみあげる

店名になぜ「ムビー」とついているのか、というのは正直ナゾです。

夜にうかがうと、大抵ご近所の人と思われるお客さんが、店主と時々笑いながら洋食をつついている姿が見受けられることが個人的にほっこりするところです。それくらい、折に触れて訪れるようになってしまいました。

さて、若干脱線しましたが店内に入ることにします。訪問したときは、「ハンバーグが食べたい!」と言って聞かないもうすぐ4歳になる娘を連れて行きました。

「いらっしゃいませえ」と奥からいつも笑顔を絶やさない、女将さんが顔をだします。もうおばあちゃんと言ってもいい女性です。「今日はお嬢ちゃんも連れてきたんやね」と、まるで孫娘を見ているようにニコニコ顔。他方、わが娘はちょっと照れ気味です。

店内の雰囲気は「昭和」です。ツートーンカラーのタイルでできた床。背の高いウォールナットの椅子。座面は赤。壁は木目調です。そこに、お手製の写真入メニューが貼っています。

「ハンバーグをふたつ。ひとつは目玉焼き付きのやつで」と言うと、「はいはい。ちゃんと食べられるかしら」とおばあちゃんが娘にたずねます。まだ恥ずかしいのか、黙ってうなずく娘。自然に娘にも気を使ってくれるところが、このお店の良さです。

 

ハンバーグはオーソドックスなふんわりテイスト。子どもも大好き

 

子どもと他愛のない会話をしていると、ハンバーグが到着です。

ハンバーグは単品だと950円(税込)。これにライスが別料金となるため、追加すると1000円を超えます。したがって、定食屋さんを想定していると若干予算オーバーになることがあり得るので注意が必要です。

オーソドックスなハンバーグはこれ!という見た目。焼き目のついたお肉の表面に、トロリとしたつややかなドミグラスソースがかかっており、その脇にはまん丸目玉焼きです。

お味はと言えば、ソースが甘辛のあっさりテイストで濃すぎないことが特徴と言えます。濃すぎるドロっとしたデミグラスの場合、小さい子どもは食べられないケースもありますが、こちらなら心配ありません。我が娘も、切り分けたハンバーグを、ハムハムとおいしそうに食べていきます。娘はおいしいと無言で延々と食べ続けるのですが、こちらのお店のハンバーグも静かに確実に食べ進めていきます。

女将さんに「おいしい?」と聞かれたときは大きくうなずきますが、目線は常にハンバーグ。どうやら虜になっているようです。私も同様です。もっとも、私の場合、娘におかわりをせがまれたときのために控えめに食べていましたが(その後、1/3程度はおかわりとして強奪されました。くやしい)。

なんだかんだと親子二人でハンバーグを完食です。私も娘も、それを見ていた女将さんもみんな満足そう。このアットホームな満腹の光景は価値があります。

 

あまりケースとしては想像しづらいのですが、もし家族で日本橋を訪れてちょっとしたご飯を食べたいというのなら、ムビー八戸はおすすめです。ちょっと歩きますが、散歩がてら是非に。

 

店舗情報

 

ムビー八戸

住所:大阪市浪速区下寺3-2-3

電話:06-6631-7539

営業時間:11時〜21時(ラストオーダー 20時30分

定休日:月に3日ほど。店内に張り紙でお知らせされます