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日本橋界隈は、カレー店の激戦区です。そして面白いのは、店それぞれが違うコンセプトを持って営業されているということ。例えば、これまでレポートしたところで言えば、「王道のカレーライス」を提供するところもあれば、「セルフスタイル」という楽しみ方を提供するお店もあります。

そんな激戦区日本橋で、流行りをつかまえつつ日本橋らしさも味わえるお店。それがノムソンカレーです。

 

日本橋のはずれ。不思議なにゃんこのカレー屋さん

 

お店の場所は日本橋のはずれ。堺筋沿いの日本橋3丁目交差点から松屋町筋方面に歩いていきます。そして、阪神高速一号環状線が見えてきたら右折。まっすぐ北向きにすすんでいくと、ほどなく左手にお店があらわれます。

おそらく猫をモチーフにしたキャラクターが描かれた看板が置かれており、「裏ポンバシ系 スパイスカリー NOMSON CURRY」との文字。よおく見てみると、にゃんこのキャラクターはカレー皿を持ち、その脇には商標登録をしていることを意味するRマークが。「おお、このキャラクター商標取ってるのか」と変なところに感心します。

裏ポンバシ。スパイス。そしてカレーではなくカリー。なんとなくこのお店が目指しているところがわかります。

実は昨今、インド系の正統派カレーでもなく、昔ながらのカレーライスでもなく、独自にスパイスをブレンドしてご飯と合わせて食べさせる「スパイス系カレー」が流行っています。有名なところで言えば、谷町や梅田にお店を構える「旧ヤム亭」などが代表格といえるでしょう。こうしたスパイス系カレーを志向しているものと思われます。

そして、にゃんこのキャラクターが意味するように、若干サブカル臭をただよわせる。サブカルと流行の共演、と言ったところでしょうか。期待が高まります。

 

ゆるさと本気が交錯する店内

期待しつつ店内に入ると、なんだかゆるーい空気が流れています。おそらくもともとは喫茶店であったと思われる店内。そこには、これまた昔ながらの喫茶店で使われているような重厚な木製のテーブルセットが置かれています。一方、店舗の奥に目をやると、おひとりさまがカレーと向き合えるようにあつらえられたカウンター席があります。この不統一感がシュールです。

そして、店内にはあのにゃんこのポップがいくつもあり、スパイスが詰められたビンが置かれていたりとこちらも統一感がありません。

その不統一感はお客さんの層にも同じことが言えます。というのも、小さなお子さん連れがそれぞれにカレーを楽しんでいる一方で、なにやら真剣な面持ちでカレーと向き合う御仁もいます。また、デートの流れでカレー屋を訪ねたと思われるカップルがスマートフォンで写真を取っていたりします。

この「雑多な感じ」がなんとも悪くありません。むしろ心地良い。ふらーっとやってきて、おもしろいカレーを食べる。そんな楽しみ方が似合うのかなあという風情です。

 

店員さんもどこかゆるい。

 

 

「いらっしゃいませ〜。おにーさん、こちらへー」と声を掛けられ、カウンター席へと案内されました。いきなりお兄さんと来ましたよ。「何にしはります?」とあくまでフランクです。

メニューに目をやると、「野村さん家のチキンカリー」(800円)にはじまり、「肉カリー」(850円)、「キーマカリー※日によってメニューがかわる」(850円から)と複数の種類があります。

そして、うれしいことに「ルー2種 愛☓(あいがけ)」(950円)「ルー3種類 三角関係」(1200円)と複数のルーをチョイスできるメニューもあります。

こうしたスパイスによって違う味を作り出すカレー屋さんでは、色々味を楽しみたくなるものです。迷わず3種かけを選択しました。それにしても、メニューの名称がウィットに富んでいます。「三角関係って。そんなに味が複雑な関係なのか。。。と」思わず頭の中で冗談にノッてしまいます。

そして、選んだのは「チキンカリー」と「仔羊カルビのカリー」という肉カレー、最後に「ズワイ蟹のキーマ」の3種類です。カレーは日替わりで味が変わるようで、店内に設置された黒板に記載があります。

 

お味は、なかなかやります。ノムソンカリー

 

しばらくして3種盛りのカレーが到着。大きな丸皿の真ん中に三角形型にサフランライスが盛り付けられています。そして三角形の1辺ごとに異なる味のルーが配置されているではありませんか。「確かに三角関係だ!」とうれしくなります。こうして盛り付けてもらうと、ルー同士の味が混ざることがなく、それぞれの味を単独で楽しめます。もちろん、それぞれのルーを混ぜて食べることも可能。そこは食べ手におまかせ、といった感じです。

いざ食べてみると、これがどうしてなかなかやります。特に気に入ったのが、定番のチキンカリー。スパイスによって彩られた奥行きのある香り。そこに、おそらくはトマトも使っているためかやや酸味や甘味を感じる味わい。サラサラのサフランライスとあわせるとスプーンが止まりません。

一方、ズワイ蟹のキーマはこれでもかというほどの蟹肉フレークが入っているのがわかります。もちろん、主役は蟹の香り。がっつりと蟹を感じることができるものの、蟹特有のやわらかい甘味を壊さないようにスパイスは控えめ。なんとも配慮のある仕上がりではありませんか。

そして仔羊カルビのカリーは、羊特有の匂いは一切しません。むしろ特有のコクや歯ごたえなど「良いところ」だけがクローズアップされるようにスパイスが調整されているようです。

スパイスの調整だけで、これほど味の傾向をしっかり変えていけるのか!と驚かされました。店内のどこかゆるい感じとはうらはらに、カレーの本気度は極めて高いものがあります。

それを表すかのように、さきほどゆるーく応対してくれた店員さんが、他の店員さんと話している内容に耳を傾けると、「あそこのカレーの味の傾向は。。。」とか、「もっとスパイスをこうしたほうが。。。」という研究関連の内容ばかりです。

店員さん同士がこうして味について議論をしているのを聞きながら食べるのは、訪問する側からしても非常に安心感のあるポイントです。

 

注意点は営業時間。ちなみににゃんこのLINEスタンプ販売中

 

ただ、ノムソンカリーには注意点があります。それは基本的にお昼しか営業していないということ。そのため、訪問する場合仕事の合間や、土日のお昼時しかありません。カレー好きとしては夜にも食べたいなと思ってしまいますが、「まあゆるいお店だし」となんだか許せてしまいます。

ちなみに、にゃんこのキャラクター。名前は「にゃんピエール」です。LINEスタンプが販売中とのことなので、よければ是非。なんだかこわかわいい感じです。

 

ノムソンカリー

住所:大阪市浪速区日本橋東1-11-2

電話:06-4393-8605

営業時間:11時〜16時 ※夜はイベント時のみ営業

定休日:月曜日 ※臨時休業アリ