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「家系」ラーメンなるものをご存知だろうか?

家系ラーメンとは、神奈川県横浜市に端を発するとんこつ醤油系ラーメンです。「吉村家」というラーメン屋さんが開発したとされています。その後、吉村家で修行をした店員さんが各地に店をオープン。その際に、屋号の一部を引き継ぐ形で「◯◯家」という名称を用いたとされています。読み方は「◯◯や」と言いますが、ラーメンのジャンルとしては「いえ系ラーメン」と称します。

吉村家以外の有名どころで言えば、新横浜ラーメン博物館にも出店している「六角家」などがあります。

こってりしたとんこつ醤油がベースになったガツンとくるラーメン。しかし、家系は関西に店舗が少なく、「本格的な味やなあ」と感じるお店は少ないといえます。しかし、家系ラーメンを味わえる店舗が日本橋にあります。今回は、横浜からはるか離れた地にある家系ラーメン店「魂心家」をご紹介します。

オタロードに燦然と輝く「金看板」

 

オタロードを南に向かって少し進むと、右手にすぐにお店があらわれます。黒地に金ピカの文字で「魂心家」と描かれたどデカい看板。「魂心家」と書いて「こんしんや」と読みます。

お店に入るとすぐ右手には券売機があり、食券制であることに気づかれることでしょう。

店内にはテーブル席が3セット。あとはL字型のカウンター席があるばかりのうなぎの寝床型です。

訪れたのは午後の8時ごろ。

私はこのお店に来ると、もはや注文スタイルは決まっています。「631(ろくさんいち)ラーメン」(930円)とライスです。

この631ラーメン、なにゆえに631かと言えば、のりが「6枚」と、チャーシューが「3枚」と、味玉が「1個」入っているから。他のお店で言うところの「全部のせ」に相当する豪華版メニューになります。ごはんを必ず注文する理由は、後ほどということで、席につきました。

 

家系ラーメン特有の注文スタイル

 

家系ラーメンは、基本的に食券制のお店が多いと言えます。そして、席について食券をテーブルに置くと、店員さんが取りに来てくれます。その際に、麺の硬さや味の濃さなどをあらかじめ申告します。

味「濃いめ、普通、薄め」麺「硬め、普通、柔め(やわらかめ)」脂「多め、普通、少なめ」という、それぞれ3種類からチョイスする形式。家系に慣れた人だと、この3×3の組み合わせをサラッと続けて言ってのけます。私も、かつて愛して止まなかった家系のため、食券を置くときに「アジコメカタメアブラオメ(味は濃いめ、麺は硬め、脂は多めでの意味)」と呪文かパスワードかのように決まり文句が出ます。

「はいよ」という店員さんの返答から、3分程度の時間が経過したところでごはんと631ラーメンが出来上がりました。麺を硬めでオーダーすると、出てくるのが早いという利点(?)があるのもポイントです。

 

オーソドックスな家系スタイルラーメン

 

 

供されたラーメンには、煮玉子がまるまる一個。それにうずら卵、ほうれん草、チャーシューが載っています。丼の縁には広げた扇のようにずらりと海苔が並んでいます。オーソドックスな家系スタイルの具材。横浜から遠くはなれた場所で感じる不思議な安心感。なんだかホッとします。

よおく表面を見ると、スープの上に脂の膜が張っています。「うん。脂多め」と納得。おもむろにコショウをパッパッパとふりかけます。家系の標準スタイル「GABAN」のコショウ。ここにも安心感があります。

麺を持ち上げると、中太麺。箸を通じてやや芯を持った弾力感がつたわります。ズズッとすすると、脂がピチピチ跳ねます(脂多めの家系ラーメンは、普通にすすってもラーメンの脂がそこかしこに跳ねます。そのため、食べに行く際の服装は汚れてもいいものをチョイスするのが賢いと思われます)。それとともに濃厚こってりとんこつ醤油のスープが麺とともに口の中にダイブ!「食いごたえ」のある麺が心地良い。「間違いないわー」と心の中でつぶやきます。

オーソドックスですが、納得の家系ラーメン。それに大阪で出会えるとは嬉しい限り。横浜までいく新幹線代を考えれば安いものです。

ただ、若干だけ苦言を呈せばお箸が割り箸ではなく、プラスチック製であるということ。家系ラーメンは普通でも脂がこってり目のため、箸はしっかりと麺をキャッチできる素材が望ましいものです。しかしプラスチックのものだとツルツルすべってしまい若干どじょうすくい状態に。ここはできれば改善してほしいなという部分です。

 

家系ラーメンにはおすすめの食べ方が

 

さてさて、実は家系ラーメンにはおすすめの食べ方というものが存在します。

まずひとつめ。それは、「海苔増し」もしくは631ラーメンのような「全部のせ」を注文し、たっぷりと海苔を用意します。そして、海苔をどっぷりとスープに浸し、たっぷりと染み込ませます。海苔がほどよく柔らかくなったところを引き上げ、ごはんの上に載せて、海苔でご飯を巻いて食べるという手法です。

いわばラーメン海苔巻き。海苔の香ばしさ、スープの濃厚さ。脂のこってり。ご飯のボリューム。それらが一度に襲ってくるのですからKO必至です。

次に、ラーメンや具材をすべて食べ終えるころに、どんぶりの底にスープが結構残るように調整します。また、ごはんもある程度残るようにしておきます。そして、残ったスープをれんげですくい、ごはんに何杯かかけてしまいます。それをレンゲですくって食べる、いわば「とんこつ醤油雑炊」です。説明はいりません。たまらなくうまいのでぜひ一度試してみてください。このために、ごはん(白ごはんですよ!)は必須のサイドメニューと言えるでしょう。

最後に、丼に残ったラーメンの量に応じてちょっと酢を入れてやり、スープをきれいに飲み干します。酢が加わることで、あっさりテイストになり、シメにはもってこいです。まさに1杯で3度おいしい食べ方、と自分で妙に納得かつ自画自賛してしまうわけです。

こうして、家系ラーメンの食べ方フルコースを余すことなく味わいつくして完食に至りました。

 

まくり券を集めよう

このお店、スープまでしっかり飲み干すと「まくり証明書」なるものが手渡されます。

これを22枚集めると、白どんぶり、黒どんぶり、青磁どんぶりから好きなどんぶりを選んでもらえるという特典があるもよう。ちょっとこれから通ってみようかなと思いました。もっとも、体重増加は気になるところではありますが。。。

 

魂心家

住所:大阪市浪速区難波中2−4−3

電話:06−6575−9322

営業時間:平日11時〜24時 土曜日10時30分〜翌1時 日曜日、祝日10時〜24時

定休日:なし