18 ENTRY

本当にたくさんのラーメン屋があります。それが日本橋です。メインの通りとも言えるオタロード近辺にもお店が増えました。そして、反対に消えていった店舗があるのも事実です。つまり、戦国時代のような様相を呈していると言えるでしょう。私自身、「もう掘り起こし尽くしただろう」と思っていましたが、まだまだ通えていないお店があることに気づかされたりします。

そんな激戦区の日本橋で、嬉しくなってしまうラーメンやさんとの出会いがありました。いやいやびっくり&ニヤニヤなお店です。

出会いは突然に。「濃厚」をうたう店舗

とある平日の夕方。今日はラーメンを食べようと考え、いつものように日本橋周辺をフラフラと歩いていました。あっさりならば「友愛亭」がある。こってりならば、家系ラーメンもあれば二郎系ラーメンもある。油そばだってある。でも、どれも胃袋アンテナがピンと来ませんでした。

何かこう、冒険的なラーメンが食べたいのだよ」と胃袋は言ってきます。とは言っても、最近の日本橋周辺には「よくマーケティングされたラーメン」が目立ちます。より詳しく言えば、ラーメンにおける流行り廃りを読んだ上で、「これならば流行るだろう」と考えて出されたお店です。

そうではなく、独自路線のラーメンが食べたかったというわけなのです。とは言え、独自路線といっても思いつきません。当て所なくさまようことになってしまいました。

トボトボと堺筋沿いを歩いていると、突如として濃厚ラーメンという看板に出くわしました。堺筋と言えばかなり通りが太く、オタロードに次ぐ人通りがあると言えるような場所です。しかし、お店の見た目がどうも人気店のような印象がありません。

すすけた塩ビ製の大きな看板。そこに濃厚ラーメンと特徴的な書体で描かれたキャッチコピー。店先には、メニュー表兼看板が置かれており、ラーメンとつけ麺の両方を提供していることがうかがえます。また、店先にはメディアに取り上げられたことを知らせるためか、パウチされた雑誌の表紙が飾られています。

私は経験則上、(1)店先にメニューがずらりと並んでいるラーメン店は美味しいお店が少ない(2)メディアに取り上げられたことを喧伝するお店は美味しいお店が少ないという点があるように思われます。

通常の私であれば、お店に入ったかどうかはわかりません。しかし、その時の私は「冒険」がしたかったのです。心を決めてお店に入りました。

 

濃厚スープは意外にも鳥ベースだった。

お店の名前は「一八」。これで「カズヤ」と読みます。おそらく店主のお名前からお店の名前が決まったのではないかと思われます。

お店の中に入ると、L字型のカウンターに8席のイス。そして券売機が置かれただけのこじんまりした店内です。まずは券売機を眺めると、ラーメンとつけ麺があることがわかります。初めてのお手合わせとなるため、ここはラーメンをチョイス。チャーシューやノリ、卵など一通りの具材が載った特製ラーメン(850円)を選択します。

席に着き券を渡して待つことに。「濃厚というからには、本当に濃厚でないと認めないぞ」とややストロングスタイルの姿勢でいると、しばらくしてラーメンが到着しました。

受け皿、ラーメンどんぶり、そして木製のレンゲ。なかなかの器セットです。

肝心のラーメンはというと、見るからにとろみを帯びたスープ。そこに薄いが、しっかりした焼き目がついたチャーシューが数枚。「むむ。見た目は濃厚さを思わせる攻撃的な見た目ではないか」と唸ります。

しかし、肝心なのは味です。そう思い、ズズズッとラーメンをすすります。

オワッ!濃厚やん!」目を見開いてしまいました。さらに驚いたことに濃厚さがしつこくないのです。例えるならば、本当にギトギトのラーメンが「大振りの重たいパンチでラッシュをかけてくるファイトスタイル」ならば、このラーメンは「綺麗なワンツーをディフェンスの間に差し込んで仕留めてくるファイトスタイル」と言えるのではないでしょうか。さらに例えて言えば、野球で言えばメジャーリーガー上原のキレのあるストレートです。しつこくありません。

しかし、なぜ濃厚なのにしつこくないのか。疑問に思っていると、店内の壁に「鳥のスープをベースにしている」との記載が。なるほど、鳥ならばしつこさが軽減されます。しかし、鳥だけでここまで濃厚こってりスープができるとは驚きです。

思わず、店主に「これは鳥スープなんですね。でもどうやったらこんなにこってりだけど、バランスが良く仕上がるんですか?」と聞いてみました。すると、「豚足などからとったコラーゲンを適度にブレンドしているからです」との答え。なるほど、とは思ったものの「適度に」というコメントに職人技を感じます。

食べ進めて味を変えたくなった場合、カウンターには島とうがらしの粉末、にんにくチップ、高菜、お酢などがあるためこれらをスープに加えることができます。こうした配慮も嬉しいところです。

無論、半熟卵やチャーシューも手抜かりなく満足の味で、あっという間に完食となりました。

兎にも角にもスープの味が素晴らしく、お店の見た目だけで判断してはいけないのだと思い知らされました。今度は再訪してつけ麺にチャレンジすることを心に決めました。

 

らーめん一八 日本橋店

住所:大阪府大阪市中央区日本橋2-8-15

電話番号:06-6633-0321

営業時間:11時から翌朝5時

定休日:年中無休(臨時休業あり)