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カップヌードルにはじまり、生麺タイプなどなど。人によって「これがお気に入り」というのが別れるのがインスタントラーメンです。うどんなどでは、関東と関西でダシの味付けが違うなど地域性も反映されていたりと、かなり奥深い世界があります。

実は、そんなインスタントラーメンがずらりと並ぶ店舗が日本橋にあります。それが、「インスタントラーメンやかん亭さくら総本店」です。なんと常時300種類を超す品揃えを誇るというから驚きです。今回は、「自分にマッチするインスタントラーメン」を探しに、同店を訪れてみました。

 

圧巻の品揃え。壁一面ラーメンだらけ

 

お店への行き方は本当に簡単です。堺筋の日本橋4丁目交差点から、なんば駅方面にワンブロック進むと、角に位置する所にすぐにお店が見えてきます。やや古びた外観のビル1階に、黄色の看板。その中央には真っ赤な丸の中に湯気を吹くやかんのロゴが。まず迷うことはありません。ガラス越しにインスタントラーメンが所狭しと並んでいるのが見えて、否が応でも期待が高まります。

自動ドアをくぐると、週末の夕方とあって店内には既に何人かの先客がいて、あれこれとラーメンを物色しています。その客の先に見えるのは、壁一面にまるでタイルを敷き詰めたかのように並ぶ、ラーメン、ラーメン、ラーメン。思わず圧倒されてしまいます。ハッと思い直して、わくわくする心をおさえつつ、買い物かごを手に取ります。選ぶ気満々です。

 

ご当地ラーメンの数々。あっという間にカゴは満杯に

 

店内のラーメンを物色していると、「なるほど」と唸らされるものがあります。まず、予め注意して置かなければならないのは、インスタントラーメンといってもカップ麺タイプはほとんどありません。袋麺タイプが主流になっています。

そして、九州、関東、東北など地域別に並べられたラーメンは、地域ごとに一種類ずつ取り揃えられているというわけではありません。九州で見れば、さまざまな地域のラーメンが取り揃えられています。おそらく地方出身の方がやかん亭を訪れたら「あー!昔これよく食べてた!!」というラーメンに出会えるのではないかと思われます。

例えば、九州で見ると「佐賀牛塩ラーメン」「マルタイ大分鶏がら醤油ラーメン」「宮崎鶏塩ラーメン」「熊本黒マー油とんこつ」など、都道府県ごとにご当地感全開のラーメンがあることに気づきます。「よくもまあ、これだけ集めたよな。もはや執念だよ」と心の中でつぶやいている自分に気が付きます。毛色の変わったもので言えば、「インスタントすいとん」なるものまであります。「もはや、インスタント“ラーメン”ではないと思うのだが。。。」と、これまた心の中でツッコミを入れますが、そもそもお店がある種の「お笑い」要素を含んでいるため、許せてしまうから楽しいものです。

 

あまりの数の多さに、何を選べばよいのか悩む。悩む。

 

もっとも、難点があります。それはあまりの品数に、何を選べばよいのかがわからなくなってしまうことです。完全にラーメン迷宮です。麺の海で溺れているような妄想が浮かんできます。

どうにも選びあぐねていると、店員さんから「お好きな味の系統のを選ぶと楽しいですよ」という言葉をいただく。「おいしい」ではなく「楽しい」というのがポイントです。「そうですね」と返答して、腑に落ちた私は気の向くままにラーメンをカゴに入れていくことにしました。

オーソドックスな醤油好きの私は、変化球がいいと考え、「旭川蜂屋 醤油ラーメン」(税込み290円)と「寿がきや 富山ブラック」(税込み200円)をチョイス。特に富山ブラックは、黒胡椒のパンチに衝撃を受けるとの説明書きにそそられてしまった。ラーメンはほぼ一袋300円以下。5つ買っても2000円でお釣りがくるのは嬉しい限りです。

 

レジ前で伏兵現る。その名も「島とうがらし味噌ラーメン」

様子見で2袋に留めてレジに向かうと、思わぬ伏兵が現れました。それは、ちょっとした棚の上に設けられた「激辛ラーメン」コーナーです。

じーっと見ていると、店員さんがサポートしてくれました。「辛ラーメンは、食べたことありますか?」と質問され、「はい、あります」と答える。すると、辛ラーメンを基準に辛味の違い、どのような辛さなのかなどをラーメンごとに事細かに説明してくれた。例えば、「唐辛子だけではなく、山椒も入っているから辛みだけではなく、ピリリとしたひりつくような刺激がある」といった具合に。

そうした説明を聞いていると、当然試してみたくなるのが人情というものです。

思わず「一番辛いのはどれですか?」と聞くと、「間違いなくこれです。辛味調味料がすでに粉末スープに混ぜ込まれているから、辛さの調整ができません。だから激辛です。その上、麺にも唐辛子が混ぜ込まれています。辛ラーメンよりはるかに辛いです。」と、「島とうがらし味噌ラーメン」(税込み330円)を手渡されました。袋を持っただけで、汗がにじむような感覚に襲われてくる。

意を決して「買います」と答える自分がいた。もはや度胸試しの様相です。

お会計時に、「絶対にすすらないでくださいね。ブホッてなりますから」と脅かすような忠告(?)をしてくれました。

 

帰宅後、いざ実食すると、火だるまになってしまった

足早に帰宅して、いざ実食。もちろん相手は「島とうがらし味噌ラーメン」です。作り方を見ると、とても特徴があるのがわかります。まず、沸騰したお湯に麺を二つに折ってから投入し、固めに茹でてくださいと書いています。その間に、丼にスープの素をいれて、270ccのお湯を入れて予めスープを完成させておきます。そして、茹で上がった麺をスープに投入して完成です。他の「富山ブラック」や「旭川蜂屋醤油ラーメン」も作り方を見るとすべて異なります。ご当地ラーメンは、普通のインスタントラーメンとは異なる作り方をするのか、と気付かされました。

さて、いざ実食をすると、もはや何かの修行レベルです。「からっ!!」と思ったかと思うと、汗がドバドバと吹き出てきます。まだ寒い時期だったにも関わらず、思わずTシャツ一枚になってしまいました。悪戦苦闘しながら食べすすめていると、恐れていた出来事が。ふいに麺をすすってしまったのです。その刹那、鼻に抜ける唐辛子。「ブヘホ!!」とむせ返ります。こうなってしまうと大変です。口の中はもちろん、鼻の中までビリビリと刺激が残り、体中が燃えているのではないかと錯覚します。ただ、辛いだけではなくしっかりとした味噌の旨味と麺のシコシコ感があり、そこらへんのインスタントラーメンよりも遥かにうまいのが楽しいのです。

今回の相手はかなりの強敵でしたが、訪れれば必ず気になるラーメンが見つかるはず。日本橋訪問のお土産にも最適だと思いますので、訪れてみてはいかがでしょうか?

 

店舗情報

インスタントラーメンやかん亭さくら総本店

住所:大阪市浪速区日本橋5-17-20

電話:06-6644-9001

営業時間:11時〜18時

定休日:木曜日

ホームページ:http://yakantei.com/yakantei_shop.html